『Vanishing Existence』について
本書は、中国に残る元ハンセン病の村をテーマとしています。写真評論家ヨルク・コルベルクは本書を「アジアという文脈の中にしっかりと根ざし、造本と内容が完璧に調和した、まさに宝物のような一冊」と評しました。
ハンセン病という人類最古の病のひとつをめぐる歴史と、そこに生きる人々の姿を伝えるために、本書を「古い中国の文書」のような佇まいにしたいと考えました。そのため、中国古文書の造本様式について調べ、台湾の古文書専門店を訪ねて実物にも触れました。
デザインと制作について
使用したのは、阿波和紙。プリントのクオリティと風合いを兼ね備えたこの紙は、まさに理想的な素材でした。製本は、すべての工程を伝統的な方法の手作業で行っています。大量生産は不可能なため、制作できるのは100部のみです。
書名題字:市野美里氏
表紙の題字は、書家・市野美里氏による手書き文字です。作品のイメージと物語を丁寧に読み取りながら何十案も書き、その中から最適な一筆を選びました。書の存在が、装丁全体に特別な表情を加えています。
消逝的世界
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限定100部(初版)
サイズ:14.8 × 21 cm
頁数:40ページ
言語:英語・日本語
発行:2013年8月
制作:アーティストによるハンドメイド