「ある町で過ごした時間の記憶が、写真家の夢の中にたびたび現れるようになり、彼は夢に導かれるようにして現実を離れ、再びその場所へと向かった。」
『blue affair』は、写真家が沖縄・コザで過ごした時間の記憶が夢となって現れたことをもとに制作された、実験的な短編映像と写真集です。
アーティスト・エディションについて
コンセプトとデザイン
このエディションは、「繰り返される夢」や「夢のような世界への潜行」といった本作のテーマに基づいてデザインされています。アーティスト・エディションの箱は、大きな本のような形をしており、その中に“本の中の本”のような構造の写真集が収められています。これは本作のキーワードである「recurring(繰り返し)」を表現しています。箱と本の色は、沖縄の美しい青い海をイメージして選びました。箱を開けると、光沢のある明るい青のプリントケースが現れます。これは海の表面を表現しています。さらに深く進むと、まるで海に潜っていくように、箱の最下部には深い青の背景に、シルクスクリーンで印刷されたエディションナンバー、タイトル、そして本作のキーとなる言葉が現れます。これは夢の奥深くへと沈んでいく感覚を象徴しています。この箱そのものも作品の一部として構成されています。すべて機械を使わず、手作業で精密に製作しています。
銀塩プリント付き 限定版について
このアーティスト・エディションには、30×40cmの銀塩オリジナルプリントが1点付属します。プリントは作家自身が暗室で焼き付けたもので、特注の両開きボックスに収められています。8点の写真の中からお好きな1点をお選びいただけます。
『blue affair』について
コザで切り取られたイメージ。そこに、彼は写っていなかった。撮影しているからというようなフィジカルの問題ではない。一方的にも、双方的にも、レンズを行き交う感情が見当たらない。なにより、カメラに注ぎ込む目線が、ひとつもないことに気づく。まるで、そこにいなかったかのように。彼自身は浮遊していて、どこか遠くの高いところから俯瞰し、目の前で起きた出来事を見つめているかのように。ただ、そこには、温もりや悲しみのような人をまとう情緒がすべて削ぎ落とされたあとに残る、圧倒的な存在としてのイメージだけが、ストンッと写っていた。間違いなくその瞬間に、同じ場所で、同じ空気を共有しながらも、彼は一部ではなく、外側の世界から覗き込んでいた。同じように、ただ、ただ、淡々と、イメージが通り過ぎていく。
- 彼は確実に、夢の中にいた。
石川達也(クリエイティブディレクター)
(本書あとがきより抜粋)
blue affair -特装版-
JPY ¥180,000
写真+テキスト+デザイン+製作:岡原功祐
部数:限定8部
特装箱:48 x 37 x 5 cm 作家の手作り
二重扉プリントケース:46 x 35 x 1 cm 作家の手作り
プリント:30×40 cm シルバー・ゼラチン暗室プリント 作家によるハンドメイド
エディション:#1 #2 #3 #4#5 #6 #7 #8
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